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2023.02.17
半導体世界最大手TSMC熊本に工場新設③
1つのニュースしか見ないと本質が見えない事が多々あります。今回は4つのニュースを繋ぎ合わせて点と点が線になる、そんな話をしていこうと思います。是非、①~④のニュースを続けて読んでみてください。
TSMCは台湾の企業ですが、世界時価総額ランキングは中国のテンセントを抜いて、アジアで一番大きな企業になりました。世界で見ても2023年2月現在、時価総額12位とモンスター企業です。そんな企業がアメリカ本土と日本の熊本に新しく工場を作るという事で昨年からとても話題になっています。
1980年代まで半導体市場は、日本企業が50%のシェアを占めていました。NEC、東芝、日立、富士通、三菱、松下がTOP10に入り互いに競い合っていた日本の基幹産業の1つでした。
しかし、安い賃金を求めて中国に生産拠点を移した事をきっかけに、徐々にその必要性や将来性を見誤り、規模を縮小してしまいました。今では生産拠点に限らず技術も切捨て、中国や韓国にシェアを奪われてしまい、現在のシェアは10%、今後はもっと落ちていくと言われています。
半導体市場は今後もますます大きくなると予想され、加えてとても重要な産業という事から、政府の成長戦略の1つとして投資をしたのが、今回のTSMCの熊本誘致です。
工場建設だけでも5000億程度、その他インフラ整備などに1兆円規模の大型民間投資などを支援すると発表しました。1980年代、90年代に日本企業に投資をしていたら、今頃どうなっていたのか?と思ってしまいますが、今からでも、海外の企業といえども、半導体に投資をする事、そして世界一の企業を日本へ誘致した事はとても素晴らしい投資になるのではないかと思います。
1990年代に切捨てられた半導体の技術者が、再び、中国や韓国から戻って来てくれる事を願いたいですね。