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2023.04.05
フィンランド・NATO加盟に時間がかかった理由
NATOへ加盟するには現在のNATO加盟国全ての承認がないと加盟出来ません。最後まで反対をしていたのはトルコです。ではなぜトルコは反対をしていたのでしょうか?
1つは、トルコが「テロリスト」と指定するクルド人組織(クルディスタン労働者党-PKK)を支援しているとして、そのPKKの引き渡しなどを条件に加盟承認をするという協議が行われていました。
フィンランドは人道的観点からクルド人難民を受け入れ、その政治活動を容認してきただけでなく、クルド人問題を理由にトルコへの武器売却を断り続けてきた経緯がある為、トルコはフィンランド側に、公式にテロ組織との戦いを表明し、武器禁輸の解除とクルド過激派の引き渡しを要求し、それにフィンランドが応じるまで加盟に反対をしていたという事です。
結果的にフィンランドは要求を受け入れ、人道問題よりもロシアへの抑止力を高める事を選択したと言う事ですね。
そしてもう1つトルコが反対をした理由が、それはロシアを刺激したくないという事です。トルコは黒海を挟んでロシアと接しており、多くのロシア人が観光で訪れます。その為トルコの主力産業である観光業への打撃を恐れたと言われています。
また、天然ガスの依存度も高く、武器の輸入も行っている為、ウクライナ侵攻を批判はするものの経済制裁には参加しない立場を取ってきました。
トルコは過去、先に述べたクルド人問題で、NATOと敵対し戦争をしています。そういった経緯を考えるとロシアを刺激しすぎるのは良くないという考えのようですね。
様々な国の思惑が交差し、それがウクライナ侵攻によって少し変化しつつあります。アジアの多くの国は、戦争反対を唱えロシアを批判はするものの、西か東かの選択はしないと表明しています。
我々日本国民は、我が国の外交をしっかりと見守りたいですね。