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2021.09.02
議論再燃!ベーシックインカムとは?①
昨年の10月頃にベーシックインカム(BI)が日本でも話題になりました。その頃、ちょっとだけブログを書きましたが、今、改めて議論が再燃しています。その背景を見ていきながら、BIの本質を少しまとめておきたいと思います。
まずBIとは何かというと、政府が国民一人一人に無条件で定期的に必要最低限の生活を保障する金額を支給する仕組みの事です。これは日本だけでなく世界でも、導入の為のテストが行われたり、議論されたり、国民投票が行われたりしている制度で、各国が検討している政策の1つになります。
元々は16世紀にトマス・モアという方が「ユートピア」で訴えたもので、更に18世紀、トマス・ペインが「土地配分の正義」で成人になったら15ポンドを給付するというベーシック・キャピタルを提案し、トマス・スペンスが「幼児の権利」で年4回の給付を提案した事が一般的にBIの起源と言われています。しかし、現代のBIとは少し意味合いが異なり、現代のBIの起源としては、クリフォード・ヒュー・ダグラスというイギリス生まれでカナダで活躍した経済指標家の「国民配当」であったり、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンが提唱した「負の所得税」も現代のBIの起源とされています。
今回日本で議論が再燃している背景は、選挙前だからで、公約を掲げている党があったり、BIは多くの国民にとってとても有難い制度になる為、その制度をぶらさげて選挙をするという戦略の為、再度話題になっているという事です。本質的な背景とは異なるので、個人的には全く意識していません。
では、本質的な背景とは何か?ですが、それは2つあります。
1つ目は、現在の社会保障制度の問題点の1つに、本当に必要な人に必要なものが行き渡らないという事があるので、一律で支給しようという事。
2つ目が、AIにより失業する人が増える為、その影響を受ける職種が、現実的にどの職種にどのくらいの影響が出るのかを正確に把握出来ないが、間違いなく影響を受ける事だけはわかっているので、一律で支給をして、富の再配分をしようという事。
この2つの問題点を改善する為の政策の1つがBIとなります。しかし、BIを実現する為の課題は多数あり、現実的には日本では導入不可能というのが一般的な考え方ですね。それでも、未来の社会を考える上で、AIは多くの人がイメージしていると思いますが、BIとMMT(現代貨幣理論)もセットで考える事が大切で、この3つのキーワードをしっかりと理解するところから始めたいですね。